知らないと後悔する!地盤調査から地盤改良の流れを徹底解説
投稿日:2020.03.21
「地盤」は住まいの安全性を左右するもの。
いくら頑丈な家を建てても、地盤に問題があっては、安全な家とは言えません。
住まいを新築するた際には、その土地の地盤が大丈夫なのかを調べておきましょう。
今回は家を建てる前に知っておきたい、地盤調査についてご説明します。
地盤調査とは?
地盤調査とは、家を建てる前に建物を建てても安全な土地かを調べるということです。
その土地の強度について調べ、建物が安全に支えられる地盤か、また安全に建てるためにはどうすべきかなどを把握することが出来ます。
地盤とは、建物の基礎となる土地のことを指しています。
調べてみると、実は柔らかい地盤だったりすることもあるので、一見頑丈そうに見えたとしても、外から見ただけでは地盤の強さはわかりません。
軟弱地盤と呼ばれるような、柔らかい粘土や砂できた地盤の上に家を建てると、地震のときに液状化したり、家の重さに耐えられず、家が傾く原因になります。
地盤は、軟弱であればあるほど地盤改良の工事費用がかかってしまいます。
家を建てた後に地質改良を行う場合、100万円を超える費用がかかってしまうことも。
そうなるとやはり「地盤改良が不要な土地」を探したくなりますよね。
では、どうやって調べればよいのでしょうか?
地盤改良が不要な土地ってあるの?
防災対策などを目的にハザードマップで液状化のリスクを公表していたり、土地の調査結果が公表されている地域もあります。
そうした資料がないか探してみるのも1つの方法です。
「周辺に暮らしている人に、以前の土地の状態や現在暮らしている家で不具合がないかなどを聞いてみるのはどうか」という方もいるかもしれません。
ただし、土地の強度は100m離れるともう変わっていることがあるので注意が必要です。
こういった理由から、多くの場合は地盤調査をしてみなければわからないというのが現状です。
といっても他人の土地を勝手に地盤調査するわけにはいきませんよね。
つまり、土地を買ってから地盤調査をして、ようやく地盤の状態がわかるということになります。
さらに同じ敷地内でも、地盤の強度が違うことがあるんです。
例えば、擁壁(ようへき)をする際、その周囲を掘り返してコンクリートの擁壁を備えてから土を埋め戻すことがありますが、当然埋め戻した部分は強度が不足します。
だからといってその部分だけを地盤改良しても意味がないんです。
その理由は、住宅の建つ土地の強度にバラツキがあっては地震で揺れた際に揺れ方が違うため、建物を歪ませることに繋がるから。
もし地盤改良工事を行うのであれば、一部分だけではなく全体的に行わなければいけません。
このように、地盤の強い土地をあらかじめ見つけることは難しいのが現状ですので、土地を買って家を建てる場合は地盤改良のための工事費をあらかじめ用意しておきましょう。
地盤調査ってどうやるの?
地盤調査とは、その地盤の上に建物を建設できるかどうかを判断するために強度を測定すること。
調査方法としては、地面の一部にロッド(鉄の棒)を打ち込んだり、ねじりながら掘り進めます。
そして、その時に必要とした力をもとに地中の構造を把握するという方法。とっても分かりやすいですよね。
この調査結果によって、地盤改良が必要か、また必要だとしたらどのような方法がコスト面・安全面でベストか、などを検討することが出来ます。
どんな方法で調査するの?
●スウェーデン式サウンディング試験が一般的
一般的な木造一戸建てを建てる場合の地盤調査は、先端がスクリュー状になった棒を回転貫入させて行うスウェーデン式サウンディング試験が一般的です。
他には、人工的な地震を地盤に与えてその地震の波の速度を計測し解析を行う表面波探査という方法もあります。
比較的規模の大きな建物を建てる場合には、頑丈な地層までくりぬいて調査する、ボーリング調査が採用されることが多いです。
マンションなどの場合に採用されるボーリング調査では、支持層という固い地盤まで調査するため、場所によっては何十mも掘って調査を行う必要があります。
土を採取し、土質を調べ、地下水位の深さや、どのような土の層で構成されている土地なのかなど、様々な角度から詳しく調べていきます。
地盤改良の方法
地盤が弱かった場合、建物を安全に支えるために地盤強化の工事を行う必要があります。
住宅の基礎となる地盤を、適切な状態に改良する工事が「地盤改良工事」です。
地盤が弱いと、時間が経過するにつれ地盤沈下が起こったり、地震の際土地が液状化したりして建物が倒壊する危険性が高まります。
今回は、地盤改良工事の方法とそれぞれのメリットや注意点などについてご紹介します。
地盤改良の方法3つ!と知っておきたいメリットと注意点
●表層改良工法
メリット
- 改良深度が浅い場合は工事の費用が比較的リーズナブルで、小型の重機でも施工が可能
- 地盤の中にコンクリートや石などが混入していても施工できる
注意点
- 表層改良工法の注意点は、勾配のきつい地盤では施工が難しい場合がある
- 地盤改良面よりも地下水位が高い場合は対応不可
- 職人のスキルに依存しやすく、実績を積んだ職人でないと仕上がりの強度に影響する
●柱状改良工法
メリット
- 工事の費用が比較的リーズナブルで住宅の地盤改良工法として多く採用されているので安心感がある
- 支持層(強固な地盤)がなくても施工できる場合がある
注意点
- 搬入路が狭い土地や狭小地、高低差のある土地では、搬入不可となる場合がある
- セメントが固まりにくい地盤(有機質土)では、固化不良が発生することがある
- 施工後は地盤の原状復帰が難しいため、将来的に土地を売りたい場合は価格の低下につながる可能性がある
- 改良体が残るため、建物解体後に別の建物を施工する際は工法の検討が必要になる
●小口径鋼管杭工法
メリット
- 施工後の地盤強度が他に比べて高い
- 重量のある建物にも対応できる(3階建ての建築物でも、小口径鋼管杭工法なら可能)
- 土地が狭い場合も施工できる工法がある
注意点
- 支持層がある地盤でなければ施工できない
- 工法によっては工事中の騒音や振動が大きいためご近所さまへの配慮が必要不可欠
- 圧密沈下の大きい場所(新しい盛土造成地など)で杭を採用すると、建物は沈下せず周囲の地盤が下がり、杭の抜け上がりが起こることがある
- 柱状改良工法より高額になる傾向がある
上記の方法以外にも様々な方法があるそうです。
どの方法が適しているのか、実際に行った地盤改良工事のデータ内容を確認して検討することが大切です。
土地の地盤を知ることは、家を建てる上で一番大切な工程と言っても過言ではありません。
専門家に任せきりにせず、見積もりから工事完了までの各過程においてもある程度の基礎知識は持っておくと安心です。
住宅瑕疵担保履行法とは?
みなさま、住宅瑕疵担保履行法(じゅうたくかしたんぽりこうほう)をご存知ですか?
「住宅瑕疵担保履行法?難しそうな法律用語・・・」という方もいるかもしれません。
でもこの法律、実はマイホームをお考えの方にとても優しい法律なのです!
新築住宅を供給する事業者は、住宅のお引き渡しから10年間の瑕疵(かし)を保証するという責任が義務付けられています。
この瑕疵(かし)とは、「欠陥」を意味しており、この法律で言う瑕疵(かし)は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の欠陥を指します。
●瑕疵(かし)が保証されているのに、肝心の事業者が倒産したらどうするの?
10年間の瑕疵(かし)が保証されているのに、肝心の事業者が倒産してしまい、その後に瑕疵が見つかったらどうしたらいいのでしょうか?
実はこの解決策が「住宅瑕疵担保履行法(じゅうたくかしたんぽりこうほう)」という法律なのです。
事業者が倒産した後に瑕疵(かし)が見つかった場合、お客様側に少ない負担で瑕疵(かし)の修補が行えます。
事業者に対して「保険への加入」、または「保証金の供託」にて、資力を確保するという法律により、肝心の事業者が倒産してしまっていても、お引き渡しから10年以内に瑕疵(かし)が見つかった場合には、保険金や保証金で修理費用をカバーしてくれるというありがたい法律なのです。
●住宅瑕疵担保履行法が定められたきっかけって?
平成17年11月に、起こったあることがきっかけで住宅瑕疵担保履行法が定められました。
それはある建築会社の「構造計算書偽造問題」。法制度の欠点が浮き彫りになったんです。
ー構造計算書偽装問題ー
ある建築事務所の一級建築士が、マンションの構造計算書を偽装し、建て替えを含む大規模な補修工事が必要となりました。
しかし、瑕疵担保責任を履行する立場のデベロッパーは、建て替えや大規模な補修を行う資力(資金)を持ち合わせておらず、倒産してしまいました。
この問題に国や地方公共団体も一定の資金補助を行いましたが、マンションを購入した人は、既存の住宅ローンに加えて新たな負担を抱える事態に陥りました。
これをきっかけに、義務化されている、売主や請負人の瑕疵担保責任をいかに実現(履行)するのか、ということが大きな課題となり制定された消費者を守るための法律。
これが住宅瑕疵担保履行法です。この出来事がきっかけで住宅購入者は安心して家を買うことができるようになりました。
まとめ
デザインなど目に見える部分に関心が偏りがちな注文住宅。
でも家を支える地盤にも意識を向けて、地盤調査と改良工事をきちんと行いましょう。
責任をもって地盤の改良に取り組んでいる住宅会社なら、情報をウェブサイトなどで発信しているので一度チェックしてみることをおすすめします。
「誰に相談していいかわからない」という方は、お近くのマイホームの窓口にて無料でご相談を承ります。
広島県内のショッピングモールに店舗がございますので、お気軽にお越しくださいませ。
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