ストレスフリーの二世帯住宅にするには?
投稿日:2020.04.07
子世代と親世代がひとつの家で生活する「二世帯住宅」。
育児や介護を協力し合うことができるため、2棟新築するよりも資金負担が少ないなどメリットがたくさんあります。
最近は高齢化が進んでいるということもあり、二世帯住宅を検討する人が増えているんです。
でも実際に住んでみると、「こんなはずじゃなかった!」という後悔の声も多く耳にします。
「坪数はどれくらい必要?」「ストレスなく暮らすためにはどんな間取りが理想?」など、気になるポイントもたくさんあるはずですよね。
価値観も生活時間帯も異なる2つの世帯が、ストレスをためることなく仲良く暮らしていくために必ず押さえておきたいポイントをご紹介します。
二世帯住宅の具体的なプランニングを始める前に基本的なポイントをおさえておきましょう。
二世帯住宅の3つの間取り
二世帯住宅の間取りは3つのタイプに分けられます。
1. 完全同居型【距離の近さ度☆☆☆☆☆】
玄関、キッチン、トイレ、バス、リビング、ダイニングなどのスペースを共有する間取り。
一戸建てに住む大家族のようなイメージですね。
夫である男性側とその両親が同居するというスタイルが主流でしたが、最近では妻である女性側とその両親が同居すると家族も増えているんです。
家にいる時間が長い専業主婦の方も、気兼ねなく生活しやすい間取り構造になっています。
生活時間や価値観にズレがなく、子どもと両親と一緒ににぎやかに暮らしたいという人には向いているのではないでしょうか。
●メリット
- 家事や子育ての分担が可能
- 建築費が抑えられるため経済的
●注意点
- 家事分担、経済的な分担、生活時間などのルールを決めないとストレスになる
- 同居してない側の両親が訪問に来る際には気遣いが必要
2. 部分共用型【距離の近さ度☆☆☆】
玄関や水回りなどの一部を共有する間取りタイプ。
水回りだけではなく、中庭や屋上などを共有する間取りが最近注目されています。
何をどこまで共有するかによって距離感が変わってくるため、生活時間やお互いの生活スタイルを尊重しつつ、程よく助け合いながら暮らしたいというご家庭に向いているのではないでしょうか。
●メリット
- 「つかず離れず」の距離感で、お互いのペースが尊重できる
- お互いの生活ペースを維持しつつ、程よく助け合うことができる
●注意点
- 分離したいこと、共有したいことを明確にしておかないと、イメージしていた生活と違っていたということも
3. 完全分離型【距離の近さ度☆】
玄関、LDK、個室に到るまでそれぞれ独立した間取りタイプ。
マンションの隣の住戸をイメージすると分かりやすいと思います。
普段の暮らしではお互いに干渉せず、困ったときに助け合いたいという人に向いているのではないでしょうか。
●メリット
- 異なる生活時間、お互いの生活ペースを尊重できる
- よくある「二世帯住宅ならでは」のストレスをあまり感じにくい
●注意点
- 融合型や共有型と比較して建築費は高くなる
二世帯住宅で心がけたいポイント
ここまで二世帯住宅の間取りタイプを3つご説明しました。
次に、二世帯住宅に共通する注意点をご紹介します。
▷プライバシーの確保
何と言っても「プライバシー問題」が一番大きなチェックポイントになるのではないかと思います。
家族とはいえ、それぞれのプライベート空間が守られないと人はストレスを感じてしまいますよね。
「ここだけは安心できるプライベートな部屋」を設けておきましょう。
また子世帯と親世帯の寝室はできる限り距離をあけたほうが気兼ねなく暮らすことができます。
▷「実家」としての場所でもある
親世帯の空間は、独立した子どもたちにとっての心のよりどころ、「実家」でもありますよね。
週末や長期休みには、子どもや親戚家族が帰ってきて、遊びんだり一緒に食事をすることもあるるかと思います。
お盆やお正月、GWなどに集まるとなると1年間に数回親戚一同と時間を過ごすということになります。
そうした集まり時にもストレスを感じずに生活できるように、トイレや居間を別々にするなどしてプライバシーを確保しましょう。
▷生活リズムの違い
一般的には子世帯のほうが夜型、親世帯のほうが朝型と、生活時間が異なります。
食事、入浴、睡眠など、生活時間がズレることは、想像以上に大きなストレスになるので注意が必要です。
間取りでは、水回りは上下で重ねると、トイレや入浴の音が気になりにくくなります。
「夜中に孫のドライヤーの音で目が覚めてしまう」などと言った声を耳にすることがありますが、こうした生活時間のズレによるストレスを軽減する工夫を間取りに取り入れる必要があります。
▷経済的な分担
子世帯、親世帯、どちらかに負担が偏っているとトラブルの元になってしまいます。
「家族だから水くさい」などと逃げることなく、お互いに心地よく生活していけるように建築費、住宅ローン、光熱費、食費などはどちらの世帯がどこまで負担するのかを入居前によく話し合うことが大切です。
もし金銭面での負担感や不満感が増してきた場合にはすぐに話し合える環境を作っておきましょう。
▷家事の分担
お金と同じくらい大切なのが「家事の分担」です。
日々の暮らしは小さな家事・雑事の積み重ね。
完全な「分離型間取り」を選んでしまえば「それぞれの家のことは、それぞれが行う」と分担が明解です。
ただ、少しでもスペースを共有するのであれば、調理・掃除・洗濯といった大まかな内容だけでなく「何を」「どこまで」するのかをあらかじめ決めておくと後からトラブルにならずに済みます。
▷バリアフリー対応
親世帯は元気だと思っていても、1つのケガや事故がきっかけで介護が必要になることがあります。
もしもの時のためにも、トイレやバスルームはバリアフリーにしておくのをお勧めします。
また、部屋間の寒暖差がないよう断熱性にも配慮したり、訪問介護などにも対応できるよう、間取りを考慮して設計しておくと、将来の介護の不安が軽減できますね。
二世帯住宅の設計の際に注意すること
一旦家を作ってしまうと、もう少しこうしておけば良かったと思っても変えることができませんよね。
後から悔やまないためにも、じっくり考えて家を設計しましょう。
今回は、二世帯住宅の設計の際に注意するべきチェックポイントをお伝えします。
●収納スペースは1.5倍が目安
玄関を共有する場合は、子世帯と親世帯の履物や傘などのほか、孫世代の靴や三輪車などの遊び道具であふれかえってしまいます。
洗面台や脱衣所には、タオルや着替え、洗濯に使う洗剤など、共有できないものが2世帯分置かれることになります。
またキッチンについても、各世帯で食の習慣や好みが違うと、自然と食品の管理も別々になりますよね。
「二世帯住宅にしたら、お互いのものがあふれてストレスを抱えしまった」という方、すごく多いんです。
家を設計する際には、共有できるスペースのなかに、共有できないものが2世帯分置かれるということを考えておかなくてはなりません。
目安として、共有スペースの収納は通常の1.5倍程度を目安にしましょう。
●ポストを分けてプライバシーを保つ
郵便物のポストも、各世帯ごとに1つずつ用意しましょう。
ポストにはプライベートな友人からの手紙など、他人に見られたくないものも多く届きますよね。
また、よかれと思ってポストから取って、渡そうと思って忘れていたり、郵送物を勝手に開けられ中を見られたといったこともトラブルのもとになります。
こうしたことを未然に防ぐためにはじめからポストを分けておくことをオススメします。
ポストを共有タイプにしたというAさんの失敗談
ネットショッピングが趣味でフリマアプリなどを使って買い物をすることが多いんですが、フリマアプリは個人売買になるため、送り主のところは個人名が記載されているんです。
何も知らない義母が「知らない人から頻繁に郵送物が送られてくるけれど、一体なにをしているのかしら」と疑いの目で見てくるようになったんです。
買い物のたびに義母にその旨を説明しないといけないので、気軽にネットショッピングを楽しむことができずストレスが溜まってしまいました。
このように、世代が違う者同士が生活するとなると様々な誤解が生まれます。
子世帯、親世帯ともに、不必要なストレスを抱え込まないようポストは分けたほうが良さそうです。
●光熱費や水道代を分けることも検討する
共有型の二世帯住宅では、光熱費や水道代を一緒にしているご家庭も多いようです。
しかし、これがストレスの元になってしまうケースがあります。
親世帯が元気で経済力があるうちはよくても、この先仕事をリタイヤしたり、病気やケガで介護が必要になったり、将来を見据えるとさまざまな状況の変化が予測できますよね。
このとき、電気代や水道代を分けず、どちらかの世帯が負担する、もしくは折半するような形にしていると、どうしても不公平感が出てきてしまいます。
「むこうの世帯が電気代や水道代を無駄遣いしているような気がする」「お風呂が好きなのに、気を使ってシャワーを思う存分浴びられない」などと言ったストレスを抱える原因になります。
結局、自分たちの使った分は自分たちが払う、というシンプルな方法がベストです。
二世帯住宅では「日常の小さなこと」がストレスに
二世帯住宅でストレスをためこまないようにするためのポイントをご紹介しました。
ポストや光熱費、テレビのことなど、「細かいなあ」と思った方も多いのではないでしょうか。
でも二世帯住宅ではこういった「日常の小さなこと」が大きなストレスに発展していきます。
予期せぬストレスを避けるためには、「こんな細かいことまで話し合う必要があるの?」というくらいまで計画しておくことをオススメします。
「気を悪くされそうで言いづらい」という場合は、住宅会社の担当者などプロに言ってもらうのも良い方法ですよ。
家が完成する前の設計段階できちんと話し合い、思いを伝えておくことが必要です。
以上のことを参考に、ストレスフリーの二世帯住宅を設計して下さいね。
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