FIT法について
投稿日:2020.06.22
マイホームの窓口祇園店 溝渕です。
今回は前回の続きとして、太陽光発電の固定買取制度「FIT法」について簡単にご説明したいと思います。
今回は「住宅に搭載した場合」のお話を基本に進めていきます。
…今回も長めになります。
FIT法とは?
Feed-in Tariff の略となっており、意味はFeed-inは「入れる、供給する」という意味でTariffは「関税、電気などの公共料金の請求方式」という意味があります。
つまり「再生可能エネルギーを導入した際のコスト負担を買取料金に入れ込んだ料金体系」という事になり、固定価格買取制度と訳されます。
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生可能エネルギーを用いて発電された電気を「国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取る」ことを義務付ける制度です。
しかし「買い取る」と言っても、電気事業者はどの様に買い取っているのでしょう?
実は買い取っているのは「電気を利用している国民」なのです。
電気料金の中に「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」という、使用電力に応じて支払っている金額があります。
この金額の単価は全国一律で、使用電力によって変わってきます。
では、どの位の金額で買い取りをされているのでしょうか?
これをご説明する前に「全量買取」と「余剰買取」を知らなければなりません。
実は制度の内容が2020年度から変更されています。
全量買取とは?
太陽光発電した全ての電力を売電できるという方式です。
基本的に50kw以上のものに限ります。
しかし、一般的な住宅の屋根に搭載する太陽光発電で50kwは難しいので、一般住宅は、ほぼ余剰買取になるという事になります。
余剰買取とは?
太陽光発電した電気から、自分が消費した電気を引き算して余った電気を売電できる方式です。
一般的な住宅ではこちらが対象になる事が多いのではないでしょうか?
当然50kw未満が対象となるのですが「自家消費率30%以上」という新条件があります。
要するに「太陽光で作った電気を30%以上使わなくてはいけませんよ」という内容です。
太陽光発電を沢山搭載すればするほど、電気を沢山使わないと売電ができないという事です。
これ以外にも条件がありますが、ここでは割愛させていただきます。
上記を踏まえた上で2020年の余剰買取価格をご紹介いたします。
10kw未満→金額:1kw=21円(税込) 期間:10年
10kw以上→金額:1kw=13円(税別) 期間:20年
以上の通りですが、なかなかピンと来ないと思います。
そこで、あくまで一例ですが太陽光5kwでの年間経済効果を例に出してみようと思います。
例:設置容量5kw 予想年間発電量(目安)5500kw
自家消費率30%ですので「5500kw×30%=1650kw」これは買わなくて済んだ分の電気です。
そして余剰買取分が「5500kw×70%=3850kw」となります。
電気料金の1kw当たりの単価を21円とした場合、買わなくて済んだ1650kw×21円で34,650円/年が浮き、売電の1kw当たりの単価が21円ですので、3850kw×21円で80,850円/年が収入となります。
浮いた34,650円と収入の80,850円で、年間115,500円が経済効果となり、それが10年間続くという事になります。
あくまで一例です。実際には天候や立地環境などに左右されるので一つの目安としてください。
問題は5kwを搭載するのにかかる金額との差額だと思います。
これに関しては、建築会社さんによって「1kwいくら」というのが変わってくる事になります。
また、太陽光発電を「リース」という方法で取り扱っている建築会社さんもあります。
建築会社さんによって考え方は様々ですが、前回の記事でご紹介した通り、再生可能エネルギーは国が長期に渡って推進している事業でもあります。
「再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会」というものも設置され、そこで議論が行われているそうです。
あくまで予測ですが、2020年度中か2021年度以降にも再度大きな改正が行われる可能性を示唆する声もあります。
太陽光発電は賛否両論ありますが、もっと良いものに変わっていくのではないかと、個人的には期待している事でもあります。
太陽光発電をご検討している方の参考になれば幸いです。