住宅ローンは何故イメージが良くないのか その1
投稿日:2020.05.25
マイホームの窓口祇園店 溝渕です。
以前、住宅ローンについては簡単な解説を投稿しましたが、それとは違い、住宅ローンに対してのイメージはどうして作られたかを、ご説明しようと思います。
皆様は住宅ローンと聞いて何をイメージされますか?
「ローン」とついている時点で、あまり良いイメージを持たれる方は少ないのではと思いますが、その中でも長期間である事と住宅という大きな額の買物にまつわる物なので、
本当に組んでいいのかな…?
と感じられる方も少なくないのではないでしょうか?
それと住宅ローンを思い浮かべる時に「破産」という恐ろしい2文字を思い浮かべる方もいらっしゃいます。
何故そんなイメージが定着しているか?
それには、近代の歴史が深く関わっています。
住宅ローンの歴史
そもそも、住宅ローンはいつから始まった文化なのでしょうか?
日本における住宅ローンの始まりは1897年、明治時代に「東京建物」という不動産会社が住宅の割賦販売を行った事が始まりです。123年前の事です。
当時の住宅は一般庶民にも手が届く物でしたが、やはり現金での購入は難しく、「高利貸し」という銀行ではない所からお金を借りて購入する事が多かった様です。
しかし、返済が滞るケースが多く、当時の社会問題になっていました。
それを解消したのが「東京建物」の割賦販売だった訳です。
1945年、終戦後に「公的住宅ローン会社」が生まれました。それが「住宅金融公庫」です。
2003年に「住宅金融支援機構」という名前に変わり、独立行政法人化しています。
「フラット35」という名前の方が聞きなじみがあるかもしれませんね。
少し話が逸れましたが、1950年に住宅金融公庫ができた事によって「公的な貸付制度」がスタートします。
ここから「住宅ローン=住宅金融公庫」という時代が続きます。
1964年前後頃から
「住宅金融公庫」VS「民間の銀行・金融機関ローン」
という構図が多くなっていきますが、この頃の金利は高い水準であった様で1970年頃、「住宅金融専門会社(住専)」が出来るまでは「低金利」のローンは存在しませんでした。
実は当時、民間の銀行には低金利の個人向けローンのノウハウがなかったのです。
住専が民間の銀行に個人向けローンのノウハウを提供する形だったのですが、銀行が住宅ローンの市場に進出すると、住専は徐々にシェアを奪われ、住宅ローン以外の不動産融資を取扱う様になっていきます。
バブル時代の金利はこんなに高かった!
その後、バブル期に突入すると不動産価格が高騰し、投資目的の購入も多くみられる様になります。
バブル経済に沸いていた1986年から1990年の最高金利は8.5%!
今と比べてみましょう。
現在→借入額3000万円を利率1%で35年=84,685円/月々(利息約560万円)
バブル期→借入額3000万円を利率8.5%で35年=224,058円/月々(利息約6410万円)
…まさに「桁違い」ですね…。
なので、バブル期の住宅購入方法は「頭金」を多く準備し「借入額」を下げて「短期間」で返す事が主流だったのです。
その考え方は30年以上前の物ですが、現在でも私たちの親、祖父母の世代の常識として語り継がれてしまっているので、今でもしばしば耳にします。
そんな中、日本経済における大事件「バブル崩壊」が起こった事により、住宅ローンは非常にリスキーな商品としてのイメージが定着する事になります。
どういう事なのか?
また次回に続きます。